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2009年3月11日千代田区内幸町ホールにおいて文化祭があり、私達の研究所のフラメンコ公演が開催されました。
フラメンコを始めてまだ3年半程の私ですが、参加させていただきました。
最初は「楽しそう&滅多に経験できないこと」という思いしかなく、当然のことながらいとも簡単に参加を決めました。
しかし、公演日が近づくにつれ上級者の取り組み方を目の当たりにし、自分が思っていたような”お気楽”な感じではないことに気づきました。研究所の発表会やクリスマス会のようなアットホームな感じとは違い、自己満足ではすまされない緊張感が漂っていました。私が踊るのはセビジャーナスとファンダンゴの2曲。
セビジャーナスは一番はじめに覚えた曲で3年経ち、ファンダンゴは習ってから2年近く経ちました。いずれもきちんとできて当たり前の曲。なのに今となっては基本が曖昧で、とても自信を持って観せられる状態ではありませんでした。しかも上級者と一緒に踊るとその差がより一層目立つのです。
出演する踊り手の中では初心者ですが観に来て下さるお客様にはそんなことはわからないので、きちんと踊れないといけません。いつの間にか最初の気軽さはどこかへ消え去り、緊張と不安でいっぱいになりました。ですが、恐れていても仕方ないので、まずは基本をやり直す為に初級クラスに出席してレッスンを受け直しました。あとは一緒に踊る上級者に見栄えがよくなるような姿勢や顔の向きなどを細かに教わり公演に挑みました。
色々とあがいてはみたものの、短期間でドラマのように劇的に上達するわけもなく、自分自身で満足のいく結果とはなりませんでした。
何度も色んな舞台を経験している上級者と自分とでは、舞台への意識がずいぶんと違うのだということを知りました。それは普段のレッスンにも表れているような気がします。日々の地道な練習があるからこそ本番で本当の意味で、楽しく踊ることができるのだということがわかりました。今回は反省ばかりになってしまいましたが、今後の自分にとってはかけがえの無い貴重な経験となりました。
今まで私は誰かに観てもらうというより、自分の楽しみの為だけに踊っていてとりあえずカッコよく踊れるようになりたいと思っていました。
そんな漠然とした思いが、今回の公演に参加したことで先生や上級者の踊りを間近で感じることができてはっきりと変化してきたのです。
観ている人を惹きつけられるような踊りをしたい。みんなを巻き込む力のある踊り手になりたい。稽古場で鏡の前に立ち「覚えて無くても、何となく自分が楽しければいいや!」と考え、現状にほぼ満足している自分は、単に努力をしないことの言い訳をしているにすぎませんでした。努力をしないと当然それ以上の満足は得られないはず。私は、この自己満足の中から抜け出し、せっかくやっているのだから見てもらった人にも快活で素敵な踊りを披露したい!というところにやっと行き着いたのです。
公演後半のクアドロはとても盛り上がり、フィナーレでは踊り手もお客様も楽しんでいて会場が一つになっていたと思います。「いつか私もその輪の中に入れるようになりたい!!」と強く思いました。踊りの技術、表現力はもちろんのこと、内面から溢れ出る人としての魅力、踊りへのひたむきな思いが大切なんだと思いました。反省点は多々ありますが、研究所公演に参加でき、フラメンコに取組むことに対して、なんとなくというか、ぼんやりとした意識しか持ち合わせていなかった私が、今後の取組み方や自分の理想とする踊りが少しずつでも見えてきた事が大きな進歩でした。
”より楽しく踊れるように”ということは、決して自分の気持ちだけに限定することではなく、もっと広く外側に対して、アピールできるものになっていけば本当に「より一層なのだ」という思いを強くしました。よちよちな私もやっとの思いで第2段目の階段を上り始めたような気がします。これからも日々の練習を真剣に取組んで、感動のある生き方をしていきたいと思います。
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公演に参加したことにより、このように大きく心の変化があったというのは私としてもとても嬉しいことです。「気づき」をエッセイにまとめたことにより、一層決意も明らかになったのではないかと思います。
この素晴らしい文章から今野さんの真っ直ぐな人柄と思いが伝わってきました。こうして文字によって、自分の気持ちを正直におおらかに表現できる今野さんは、きっといつかフラメンコで様々な思いを表せるようになると期待しています。今後も色んな気持ちの変化があると思いますが、一つ一つの思いを大切に精進してくださいね! |
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フラワーアレンジメントとゴスペルという趣味に加え、体を動かす何か、言語や国の枠を越え、身一つで人々の輪に溶け込めるような何かがしたいと思い、フラメンコを習い始めて早2年となります。友人たちには「のんびりマイペース型なのに、情熱的なフラメンコはイメージにあわない」と言われていますが、当人は毎回学生時代の部活動のような充実したレッスンが楽しみで、現在は週2日スタジオへ通い、ファンダンゴとカラコレスの練習をしています。
習い始めた当初・1年目はセビジャーナスから始まり、まずはなんとか足の動きを覚え、そしてブラソがつけば今度は足を忘れ、更にカスタがつけばせっかくのブラソが直線になるという日々でした。セビジャーナスを相手と組んで踊る事が楽しくなり、どうにか形にはなってきても、曲調やスピードが変われば都度戸惑い、今でも上級者の踊りを見ては、「同じセビジャーナスとは思えない」とため息混じりに見とれています。
そんな私に先日、内幸町ホールで上級生に混じってセビジャーナスを踊るという機会が舞い込んできました。同じ踊りのはずなのに、上級生は立ち姿や体の動かし方が全く違う。たった1つのアドバイスで10の事が瞬時にできてしまう。リハーサルで他の演目を見る度に、一人じわじわと緊張度も増していたのですが、もっと練習したい、もっと表現できるようになりたいと、フラメンコに対する気持ちも高まっていきました。また、今回は舞台だけではなく客席通路にも出て踊るという演出があり、お客様のにこやかなお顔が良く見え、「踊るって楽しい」、と客席全体との一体感も感じる事ができました。
内幸町ホールでの公演を終え今は、アバニコの扱い方に苦戦しながらカラコレスの練習に励んでいます。スタジオの鏡に映る自分の姿に自信が持てるよう、そして、立ち居振る舞いが素敵な女性になれるよう、日々の努力は続いていきます。
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当初は、新人の伊沢さんが上級者達にたった一人で混ざって「大丈夫かな???」などと、勝手な心配をしておりましたが、それは全く必要のないことでした。淡々とマイペースに自分の目標に向かって突き進んでいく姿をまぶしく思いながら見つめていました。明るく、くじけない芯の強さ。自分のこんな点を大切にしながら、是非フラメンコで独自のスタイルを確立してください。私も少しでも多く、このような機会を演出し、一生懸命やっているスタジオのメンバーを応援していこうと思いました。 |
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